歪みが原因とは限りません

腰痛や肩こり、膝痛。私たちが日常にかかえるさまざまな痛みはその原因を、体のゆがみや老化現象に求めがちです。
しかし意外に思われるかもしれませんが、ゆがみが痛みの直接的な原因になっている場合は実際には少ないのです。
私たちの身体は、ほとんどの場合左右対称ではありません。多少のゆがみは誰にでもあるのが通常です。
では何が痛みの原因なのでしょうか?それは「関節のあそび」が失われることにあります。

私たちの身体を支える骨格は、200個以上の骨で構成されています。それらの骨と骨をつないでいるのが関節です。関節はほとんどずれないようにできていますが、実は微少な範囲で動きます。微少にずれて、元の状態にもどるだけの弾力をもっています。これが「関節のあそび」です。
車のサスペンションを想像すると分かるように、「関節のあそび」は運動の衝撃を緩和してバランスをとっています。
ところが、長時間のデスクワークや、座って足をくんだり、運動不足で筋力が衰えることもあるなど、人はそれぞれ動きに癖をもっていて、つい動きやすい方へ動かしてしまいがちです。そうするうちに、身体の使い方に得意、不得意の差が生じてきます。
その結果「関節のあそび」が失われ、痛みが生じます。

 

側弯症などで曲がった背骨でも、関節にあそびがある場合は症状は出にくいものです。反対に、外見が
整っていても関節のあそびがないとトラブルを引き起こしやすくなります。
外見より中身、つまり歪みより、関節にあそびがあるかどうかが大切なのです。